Ki-67とC2Pコンビネーションによる早期乳がん再発予測試験(多施設後ろ向き試験)
(承認番号12078)
研究課題名
Ki-67とC2Pコンビネーションによる早期乳がん再発予測試験(多施設後ろ向き試験)(承認番号12078)
研究対象
2002年1月~2002年12月に乳がんの手術を当院で受けられた方で、本研究の参加同意を直接いただいた方、および手術の際に患者さんから取り出された腫瘍組織(保管検体)を研究に使用することに同意していただいている方
研究目的
精度の高い「乳がん再発予測検査」方法を開発するために、癌の増殖スピードを反映すると考えられる新しい検査薬(C2Pリスクスコア、シーツーピーリスクスコア)と、従来からある癌の増殖の指標であるKi-67とを併用して評価した方が、それぞれを単独で用いるよりも有用性が向上するかを調べる臨床研究を行います。現時点では本研究の結果が、患者さんの診断および治療法の選択に使われることはありません。ただし、今後、乳がんの治療を受ける他の患者さんの治療方針を決めるための新しい基準になり、医療の進歩につながることが期待できます。
研究方法
乳がんの再発予測検査は、乳がんの手術で取り出された腫瘍組織を用いて行われます。再発の危険性の程度を予測することは、手術後の治療方針を決める際の大切な指標となることが期待されます。患者さんの保管検体を使用して、C2PリスクスコアとKi-67などのマーカーを測定し、それらの結果と患者さんの癌の性質(病理検査結果など)あるいは手術後の経過や現在の状況などと比較することにより、本方法による再発の予測の信頼性を評価します。
研究に用いる試料・情報
乳がんの手術時に採取した凍結腫瘍組織とパラフィン包埋病理組織を使用します。また、患者さんの年齢や月経状況などの個人情報や、乳がんの臨床病学的検査結果(大きさ、リンパ節転移の有無、ホルモン受容体の発現状況など)、再発の有無などの臨床情報などが、匿名化を行ったうえで使用されます。
外部への試料・情報の提供方法
本研究は当院以外に国内外の施設と共同で実施します。全体で250名前後の患者さんにご協力をいただく予定です。患者さんの検体(乳腺組織)と病理組織検体は、シスメックス BMAラボラトリー(神戸)に送られC2Pの測定を行います。さらに、サンプルの一部はオランダのライデン大学に送られ、そこではカスパーゼ3などの測定を行います。また、病理組織検体は、イタリアのヨーロッパ癌研究所に送られ、Ki-67、ホルモン受容体、HER2などの検査を行います。患者さんの臨床病理学的データ(年齢、閉経の有無、しこりの大きさやタイプ、ホルモン治療、再発の有無などの情報)はデータセンターに集められ、解析は外部の解析会社に委託します。
研究組織
本研究は当院以外に下記の国内外の施設と共同で実施します。
- シスメックス株式会社(神戸) 中央研究所, 吉田智一
- ヨーロッパ癌研究所(イタリア) 病理, Giuseppe Viale
- ライデン大学(オランダ) 外科, Peter JK Kuppen
- ジョンウェイン癌研究所(アメリカ) 分子バイオロジー, Dave Hoon
- Virgen del Rico大学(スペイン) 病理, Jose Palacios
- 12 de Octubre病院(スペイン) 病理, Jose Luis Rodriguez
お問い合わせ、研究参加辞退の申し出
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。 また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
連絡先
金 昇晋(准教授)
大阪大学大学院医学系研究科 乳腺内分泌外科
〒565-0871 吹田市山田丘2-2-E-10
電話: 06-6879-3772
FAX: 06-6879-3779
メール: office@onsurg.med.osaka-u.ac.jp
研究責任者
金 昇晋(准教授)