当科について

島津教授ご挨拶

From Professor

乳腺内分泌外科学講座 教授
島津 研三

乳腺・内分泌外科学講座 教授  島津 研三

令和2年5月1日付けで乳腺内分泌外科の教授(診療科長)を拝命した島津研三です。当科は国立大学の外科教室のなかで乳腺、甲状腺外科に特化した診療を初めて開始し、現在では診療・研究・教育とも国内最高レベルであると自負しております。私はそれを高いレベルで維持し、さらに発展させていきたいと考えております。

診療: 当科の治療の柱である乳癌は女性が罹患する最も多い癌です。エビデンスに基づいた最先端の治療を患者さんに提供すると同時に、常にわかりやすい説明を行い、患者さんが安心して治療を受けていただけるようにスタッフ一同で努力してまいります。手術においては当科が中心となって開発したOSNAによる正確な術中診断に基づいたセンチネルリンパ節生検、ローテーションフラップによる整容性を重視した温存手術、形成外科との共同による同時乳房再建手術を積極的に行っています。再建方法も多くの選択肢があり、患者さんに合わせた再建方法を納得したうえで選んでいただけるようにしています。また、令和2年4月から保険収載された遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)における遺伝的検査と陽性者への予防的乳房切除、婦人科と連携した予防的卵管卵巣切除にも対応しています。

研究: 患者さんに向き合う我々だからこそ臨床上の問題点を見出し追求していくチャンスがあり、同時に責任があります。臨床から問題点を見出し、それを科学的に観察、分析し、解決できるような研究ができる「Academic Surgeon」を育てる努力を惜しみません。大学院博士課程においては乳癌に関するさまざまな基礎・臨床研究を幅広く行っています。特に「遺伝子診断の乳がん診療への応用」を教室のメインテーマとして、 translational researchに積極的に取り組んでいます。他講座とも連携して脂肪再生医療、新しい抗体医療、乳癌へのCAR-T細胞治療の開発など、独創性に富んだ研究も行っています。

教育: 高い臨床技術・職業倫理を兼ね備えた乳腺内分泌外科医を育成することを当教室のモットーとしています。 初期研修終了後の3年目からの専攻医教育はその医師の将来を決める重要な期間です。当科では大阪大学外科学講座臨床研修プログラムを基盤に30にも及ぶ関連病院と連携し、各個人にあった研修システムを構築し、充実した研修が受けれるように配慮しています。見学を積極的に受け入れていますので、乳腺、甲状腺の外科に興味のある方は是非、一度当教室を訪ねてください。

乳腺内分泌外科学講座 教授 島津 研三