研究活動・実績

自己抗体検出法の開発と乳癌早期診断・再発の早期発見への応用

(承認番号14046)

研究課題名

血漿DNAのメチル化および遺伝子変異の分析とその臨床的有用性の検討 (承認番号14046)

対象

本研究は、2000年-2014年の間に大阪大学ヒトゲノム研究課題332「遺伝子多型を用いた乳癌罹患リスク診断法の開発」及び大阪大学医学部臨床研究課題14106「乳癌の予後予測法の開発」の研究課題に同意して患者(被験者)が提供し当教室で既に保存している血液サンプル及び乳癌腫瘍検体を用いて実施します。

目的

現在までに、自己抗体の同定が乳癌の早期診断や再発の早期発見にある程度有用であるとする少数例における検討結果が報告されています。本研究の目的は、自己抗体(特に抗HER2抗体)の検出法を確立し、自己抗体が陽性である乳癌の臨床病理学的特徴(腫瘍径、リンパ節転移、ER、PR、HER2、化学療法感受性、予後等)及び乳癌組織における免疫学的微小環境を多数の患者を対象にして明らかにすることです。

方法

大阪大学ヒトゲノム研究課題332の同意のもとに保存されている血清を用いて自己抗体をELISA法で測定します。対象症例の臨床病理学的特徴(腫瘍径、リンパ節転移、ER、PR、HER2、化学療法感受性、予後等)をカルテ記載内容から抽出し、自己抗体の有無と臨床病理学的特徴の間に関連があるかどうかを検討します。現在予定しているのは、抗体HER2抗体に対する測定法の確立とその乳癌早期診断および再発の早期発見への応用ですが、順次対象とする自己抗体を増やして行く予定です(抗HER3抗体、抗MUC1抗体等)。また、上記対象症例のうち大阪大学医学部臨床研究課題14106の同意のもとに保存されている乳癌腫瘍検体を用いて、乳癌組織中の癌遺伝子の体細胞変異や免疫関連遺伝子の配列を解析します。この遺伝子解析は外部業者に委託して行う予定です。なお本研究において、子孫に受け継がれるゲノム情報は収集・使用しません。

研究に用いる試料・情報

乳癌の手術前に採取した血清及び手術時に採取された乳癌腫瘍を使用します。また、患者さんの年齢や月経状況、乳癌の臨床病理学的特徴(腫瘍径、リンパ節転移、ER、PR、HER2、化学療法感受性、予後等)などが、匿名化を行ったうえで使用されます。

外部への試料・情報の提供

試料の一部は、匿名化コードのみを付した状態でレパトア・ジェネシス社、ビケンバイオミクス社に提供して遺伝子解析等を実施します。匿名化コード以外の試料に付随する情報をレパトア・ジェネシス社、ビケンバイオミクス社に提供することはありません。匿名化に用いた対応表は、当教室の担当者が厳重に保管・管理します。

研究組織

大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科 下田雅史

レパトア・ジェネシス株式会社(大阪) 鈴木隆二

株式会社ビケンバイオミクス(大阪) 辻野泰充

お問い合わせ、研究参加辞退の申し出

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。 また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

連絡先

下田 雅史 (助教)

研究責任者

下田 雅史 (助教)
大阪大学大学院医学系研究科 乳腺内分泌外科
〒565-0871 吹田市山田丘2-2-E-10
電話: 06-6879-3772
FAX: 06-6879-3779
メール: office@onsurg.med.osaka-u.ac.jp