研究活動・実績

Fluorescence Activated Cell Sorterを用いた乳癌のバイオマーカー測定法の開発

(承認番号15450)

研究課題名

Fluorescence Activated Cell Sorterを用いた乳癌のバイオマーカー測定法の開発乳癌の予後予測法の開発 (承認番号15450)

研究対象

2001年4月以後に当院で乳癌の手術を受け、かつ、研究課題「遺伝子発現プロファイル解析による乳癌の生物学的特性診断法の開発」、あるいは、研究課題「乳腺疾患、甲状腺疾患、副甲状腺疾患の組織バンキング」に同意された方。

研究目的

現在、乳癌診療においては、ER(estrogen receptor), PR(progesterone receptor), HER2(human epidermal growth factor receptor-2), Ki67の4つのバイオマーカーが日常診療でルーチンに測定されています。ERとPRはホルモン療法感受性の予測、HER2は抗HER2療法の感受性予測に必須のバイオマーカーであり、また、Ki67は腫瘍細胞の増殖のマーカーであり乳癌の予後予測に重要です。ER, PR, Ki67の3つのバイオマーカーは、通常、免疫組織染色によって測定されていますが、免疫組織染色の問題点は、その判定が主観的で観察者間のばらつきが大きいことです。また、HER2はFISH法で遺伝子増幅の有無が測定されていますが、通常、パラフィン切片でFISHを実施するため核が切断され、そのため遺伝子コピー数の測定精度は、intactな核を用いたFISHより劣ると考えられます。そこで、本研究の目的は、これらの観察者間のばらつきを解消する方法として、Fluorescence Activated Cell Sorter (FACS)を用いた新しいバイオマーカーの客観的な測定法を開発することです。

研究方法

乳癌組織のパラフィン切片から乳癌細胞を単離し、ER、PR、HER2に対する抗体を用いてFACSを実施してそれぞれのバイオマーカーの陽性率を計算します。また、HER2の遺伝子増幅に関しては、単離したintactな核を用いてFISHを実施することによってより正確にHER2の遺伝子コピー数を判定します。 研究期間:研究期間:2014年7月~2022年3月

研究に用いる資料・情報の種類

試料:手術で摘出した乳癌組織等
情報:乳癌に関連した臨床・病理情報、治療歴等

外部への資料・情報の提供

患者さんの試料・情報の一部を個人が同定できない形式で外部の機関(大阪警察病院、ニット―ボーメディカル、シスメックス社)に提供し研究を実施します。

研究組織

大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科 金昇晋

  • シスメックス社 吉田智一
  • ニット―ボーメディカル 須釜裕司
  • 大阪警察病院 辻本正彦

お問い合わせ、研究参加辞退の申し出

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

金 昇晋  
  大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科・准教授
〒565-0871大阪府吹田市山田丘2-2-E10
TEL 06-6879-3772 FAX 06-6879-3779
E-mail: office@onsurg.med.osaka-u.ac.jp

研究責任者・代表者

金 昇晋
大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科・准教授
〒565-0871大阪府吹田市山田丘2-2-E10
TEL 06-6879-3772 FAX 06-6879-3779
E-mail: office@onsurg.med.osaka-u.ac.jp