研究活動・実績

アクロレイン反応を用いた乳腺腫瘤(乳腺摘出術・乳がん手術)、子宮頸部・体部内膜病変(子宮全摘術)や甲状腺腫瘤(甲状腺手術)及びそれらのリンパ節に対する捺印・擦過細胞や穿刺吸引細胞の細胞診に関する研究、及びアクロレイン反応を用いた乳がんの術前薬物療法治療効果予測法の開発

(承認番号20197)

研究課題名

アクロレイン反応を用いた、乳がんの術前薬物療法治療効果予測法の開発、及び摘出腫瘍(乳腺腫瘤や甲状腺手術)に対する捺印細胞や穿刺吸引細胞の細胞診に関する研究 (承認番号20197)


研究対象

2020年8月~2028年3月の間に当院で乳腺腫瘤(術前診断:良性・境界病変・悪性)に対して乳腺腫瘤摘出術・乳がん手術・針生検・マンモトーム生検や、子宮頸部・体部内膜病変(良性・境界病変・悪性)に対して子宮全摘手術、甲状腺腫瘍(良性・悪性)及びそれらのリンパ節に対して甲状腺手術を施行した方で、かつ当科の組織研究に対する包括同意に同意された方を対象としています。


研究目的・方法

当院にて乳房腫瘤(乳がん、乳がん疑いや乳房良性腫瘤など)の診断の為に実施する針生検・マンモトーム生検時に、採取した生組織に対して、アクロレイン反応試薬(アジドプローブ+ヘキスト)を用いて1分間、浸して染色した後、スライドガラスに捺印を行います。また、当院で乳腺腫瘤(術前診断:良性・境界病変・悪性)に対して乳腺摘出術や子宮頸部・体部内膜病変(良性・境界病変・悪性)に対して子宮全摘手術、甲状腺腫瘍(良性、悪性)及びそれらのリンパ節に対して手術を施行した方に対しては、摘出後の標本検体を用いてホルマリン固定前に摘出腫瘍の割面の表面の細胞をスライドガラスに捺印・擦過を行うことや、穿刺吸引細胞をスライドガラスに採取を行い、スライドガラスに試薬を滴下染色します。染色された針生検・マンモトーム生検の全ての生検組織や、乳腺腫瘤摘出術、子宮全摘術や甲状腺腫瘍の摘出組織及びそれらのリンパ節はホルマリン固定され、通常の診療の為に当院病理部にて病理組織診断に用いられます。本研究による病理組織診断に対して影響はありません。また穿刺吸引細胞や捺印・擦過細胞は微量の細胞採取であり、組織への影響はありません。採取されたスライドガラス上の細胞は、蛍光顕微鏡にて撮影測定を行います。撮影された画像は、大阪大学情報科学部、東京工業大学物質理工学院応用化学部、大阪国際大学大学人間科学部人間健康学科、ニコンインステックにて画像解析を行います。捺印細胞の画像結果については、病理検査結果との比較や、術前化学療法前の乳がんの捺印細胞画像については、実際の薬剤の効果と比較検討します。またスライドガラス上の細胞については、次世代シーケンシング(RNA seq)による遺伝子解析を行い、アクロレイン反応や治療効果との比較を行う場合があります。本研究の画像解析は、当院外の研究協力機関でも行われますが、検体や情報の提供などは、患者の個人情報は匿名化を図っています。本研究は、がん細胞由来の遺伝子発現を次世代シーケンシング(RNA seq)にて確認することを目的としており、胚細胞由来の遺伝子発現を調べる研究ではありません。研究期間について西暦2028年3月31日までとしております。


研究に用いる試料・情報の種類

情報:病歴、術前抗がん剤治療のある場合は治療歴、病理組織結果、カルテ番号 等 試料:組織診(針生検やマンモトーム生検)時に採取された乳房腫瘤の生組織を捺印して得られたスライドガラス上の細胞や、当科にて乳腺腫瘤(術前診断にて良性・境界病変・悪性)に対して腫瘤摘出術・乳がん手術や甲状腺腫瘍(良性・悪性)に対して手術を施行された摘出標本、および産婦人科にて子宮頸部・体部内膜病変(術前診断にて良性・境界病変・悪性)に対して子宮全摘術を施行された摘出標本及びそれらのリンパ節より得られた表面および穿刺吸引された細胞。


研究組織

<研究実施機関>
大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科 講師 多根井 智紀
大阪大学大学院医学系研究科産婦人科 講師 小玉 美智子

<検体の測定を行う機関>
大阪大学情報科学研究科 ゲノム情報工学講座 准教授 瀬尾 茂人
東京工業大学物質理工学院応用化学部 教授 田中 克典
大阪国際大学大学・人間科学部人間健康学科・教授 盛本 浩二
株式会社 ニコンインステック・バイオサイエンス営業本部
大阪大学微生物研究所


問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。 ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

【照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先】
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2-E10  TEL 06-6879-3772
大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科 講師 多根井 智紀

研究責任者

 国立大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科講座 多根井 智紀