研究活動・実績

HER2陽性乳癌に対するHER2遺伝子発現の不均一性と予後との相関に関する研究

( 承認番号 22080(T1) )

研究課題

HER2陽性乳癌に対するHER2遺伝子発現の不均一性と予後との相関に関する研究


1. 研究の対象

2008年1月~2021年12月の間に当院にて既にHER2による蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)増幅の測定を実施され、HER2陽性乳がんと診断された方で、かつ当科の組織研究に対する包括同意に同意された方を対象としています。


2.研究目的・方法

乳がんには、乳がんの腫瘍内において多様ながん細胞が存在する為、均一ではないといわれています。それは、個々の乳がんの患者さんによって乳がんの腫瘍内は様々で異なっています。一般的にHER2陽性乳がんは、抗HER2療法などの化学療法が良く効くタイプの乳がんとされていますが、一部に治療薬が効きにくい乳がんも存在しています。それらのがんにおいては不均一さが高い為、一部のがんが治療薬に耐性をもつ可能性があります。本研究では、HER2陽性乳がんの腫瘍内のHER2の発現の不均一さに着目し、HER2の発現の不均一さが、患者さんの再発や予後に関係しないか調べることを目的としています。 当院において臨床治療の為に既に測定されたHER2による蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)増幅の測定結果(SRL, Inc.社)が紙ベースにて保存されています。今回の研究では、これらの紙ベースのHER2によるFISH増幅の測定結果のヒストグラム画像を匿名化し、PDFファイルに変換を行います。そして、それらのヒストグラム画像より「不均一性」を求める為に大阪大学乳腺内分泌外科にて目視による判定を施行します。また、匿名化された紙ベースのヒストグラム画像を共同研究者である大阪大学大学院情報科学研究科バイオ情報工学専攻ゲノム情報工学講座に提供され、AIによる画像解析が行います。 本研究の画像や情報の提供などは、患者の個人情報は匿名化を図っています。さらに、それらのFISH増幅の測定の「不均一性」の結果と、乳がん患者さんの予後(再発、生存)との相関を後ろ向き研究にて検討します。本研究は実臨床にて測定された資料を用いた後ろ向き研究であり、臨床診療に対して影響はございません。 研究期間について西暦2026年3月31日までとしております


3.研究に用いる試料・情報の種類

情報:当院において臨床治療の為に既に測定されたHER2による蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)増幅の測定結果(SRL, Inc.社)病歴、周術期抗がん剤・抗HER2療法などの治療歴、病理組織結果、カルテ番号 等


4.外部への試料・情報の提供

大阪大学大学院情報科学研究科バイオ情報工学専攻ゲノム情報工学講座へのデータ・画像データの提供は、記録媒体(ハードディスク)を用いて特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、当センターの研究責任者が保管・管理します。試料はございません。


5.研究組織

大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科 講師・・・・・・・・・・・・・・・・多根井 智紀
大阪大学大学院情報科学研究科バイオ情報工学専攻ゲノム情報工学講座 准教授・・・瀬尾 茂人


6.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。 ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
大阪大学医学部附属病院 乳腺・内分泌外科 多根井 智紀(講師)
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2番15号  TEL:06-6879-5111(代表)
研究責任者:
大阪大学医学部附属病院 乳腺・内分泌外科 多根井 智紀(講師)